≪科学的な薬≫

≪科学的な薬≫
いままで、植物を煎じたり、粉にしたりしてそのまま薬として利用していたのですが、19世紀にはいって、ドイツの薬剤師ゼルテュルナーが、阿片から有効成分のモルヒネを単離し、純粋な緒晶を得ました。このあたりから西洋薬は、生薬処方から「有効成分抽出」という近代科学へと進み始めたのです。その後、ストリキニーネ、キニーネ、コルヒチン、カフェイン,ニコチン、コデイン、アトロピン、コカインなどが次々と発見されたのです。

≪アスピリンの合成≫
古代ギリシャの時代からヤナギの樹皮が痛み止めとして用いられていたが、その有効成分が、サリチル酸であることがわがり、その胃腸障害を軽減すべく合成された薬が、アスピりンです。1899年には、このように全く合成で薬が作られるようになったのです。

≪抗生物質の発見≫
ペニシリンの発見には、絶え問ない研究と偶然が必要でした。ブドウ球菌を培養中のシャーレの中に偶然入り込んだカビが、この病原芭を溶かしてしまったのです。これを見逃さなかったのが、発見者フレミングの立派なところであり、失敗が世紀の発見につながったことは、教言にすべきことでしょう。ただ残念なことに当時のフレミングの研究室は、免疫疲法至上主義が大勢を占めていた為このペニシリンは、10年後に初めて患者に使われることになったのです。

≪結び≫
薬には長い歴史があります。多くの先達の血の滲むような努力の結晶が、薬として多くの命を救ってきました。今後もより有効で副作用の少なし、薬の開発を目指して研究が進められるでしょう。しかし、耐性菌の問題や副作用、相互作用など薬に関する問題も新たに生まれています。薬の適正使用が、今望まれているのです。