クスリの体内への旅
ークスりのADME−
薬を服用してからどの様な流れを経て、体外に出て行くのか。Ad s o r b
t i o n(吸収)、Di s t r i b u t i o n(分布)、Me t a b o l i s m(代謝)、El
i m i n a t i o n(排泄)の頭文字を並べてADME(アドメ)と呼んでいるのですが、この順番で薬は体を旅します。
あなたが、薬を口から服用します。通常コップ1杯の水とともに。水とともに胃の中に入った薬は、分散してから胃液に溶け液体になります。胃から排出された薬は、小腸の上部で血液中(門脈)に入って行きます。門脈を通り肝臓に到達した薬は、第1回目の強力な代謝(肝での初回通過効果)を受けます。その後、血流にのって全身に回り、患部に運ばれます。全身に分布し、働くべき場所に到達した薬は、効果を現し始めます。薬の中には、特別な組繊に重点的に分布し、効率のよい働きをするものもあります。
働き終わった薬は、代謝を受け排泄しやすい型に変化して、主として腎臓から尿中に排泄されるのです。(他に、便・呼気中・汗・涙・唾液に排泄されます。その為、薬によっては便や汗、涙、唾液の色が変化したり、呼気の臭いが変化したり、苦みを感じたりする事があります)薬は、このようにして一生を終わります。数時間から数日働き続けるものまで種々の薬が、多彩な体の旅を続けるのです。