薬の作用と副作用

薬の作用と副作用
私たちは疲れたとか、どこかおかしいと言っては薬を飲みます。薬には、病気を治したり、身体の正常な働きを促すなど、健康な生活を保ち、助けるための役目があるのですが、私たちのまわりや、暮らしの中には実にたくさんの薬が使われています。一般に、口から飲んだ薬は食道を通って胃に入り、さらに十二指腸から小腸へと送られます。その間にこれらの消化管で吸収され、門脈を通って肝臓に行き、循環する血液の中に入り全身に送られます。そして目的とする臓器で効果をあらわし、薬としての役割を果たします。しかし、体の中に入った薬は目的とする臓器だけでなく、体のいろいろなところに作用して、思いがけない作用が出ることがあります。これが薬の副作用なのです。近年、薬は進歩しており、副作用の少ないものを患者さんにお届けできるようになってきていますが、薬である以上副作用の起こる可能性はあります。副作用には予測できるものからできないものまで実に様々ですが、一般的なものとしては、胃腸障害、眠気やめまい、薬物アレルギーなどがあります。また、薬の副作用は個人差があり、出やすい人と、そうでない人がいます。高齢者、肝臓や腎臓の弱い人、アレルギー体質の人はなどは健康な人に比べて副作用が出やすいといえるでしょう。しかし、副作用らしいものが少し出たからといって、すぐ薬をやめてしまうと反対に病気が治らなくなります。注意すべき副作用とそうでないものがあります。そこで、大切なのは、自分の飲んでいる薬について
1.薬の名前とその効果
2.いつ、どのように飲むか
3.どのような副作用があるのか、もし副作用が起きた時はどうすればよいか
4.他の薬との飲みあわせはどうか
5.食べあわせはあるのか
という5点は最低限知っておくことです。この5点を薬を飲む前に医師、薬剤師に必ず聞いてください。そして、副作用の早期発見には、あなたが薬をのみ始めてから起こった体の変化を注意深く観察することが大切です。問題となる副作用が出た場合は、医師または薬剤師に相談し、薬の滅量、中止、または薬の変更をする必要があります。また、一人の医師から数種類の薬をもらっても一般的に心配ありませんが、同時に2つ以上の診療科や病院から薬をもらった場合、薬の飲み合わせによっては、思わぬ副作用が生じることもあります。そこで、複数の病院、診療科を受診されるときは、あらかじめ医師に自分の飲んでいる薬について伝えることが必要です。最後に、薬を指示どおりに飲む(きちんと間隔をあけ、正しい量を飲む)ことにより、副作用はかなり防ぐことができます。自分の飲んでいる薬の「よい面」と「悪い面」をよく知り、正しく飲むことが大切です。自分の飲む薬を知れば知るほど、その効き目は増すことを忘れないでください。